RUNだむ日記【Returns!】

RUNだむ日記は、2012年にサービス終了した北国tv.でのブログ。新作は、RUNだむ日記【+Plus!!】で。

2007年くりやま100kmウルトラ遠足1〜6(本文なし)

*** くりやま100kmウルトラ遠足1・後悔が先に立つことはない 2007.7.9

二度目の「ウルトラ」ということで、「はじめて」の新鮮な気持ちが失せていたのだろうか。それとも最近ずっと悩まされている右腿裏の違和感のせいなのだろうか。今年の「くりやま100kmウルトラ遠足」は大会前からいまいちノリが悪かった。
7~8km走ると毎回出てくる痛み、加えて仕事の忙しさなどもあり、3月には3回あった30km以上の練習が4月は1回のみ。あとは5月の洞爺湖マラソン・フルだけ。走行総距離も4月189.5km、5月119.4km、6月151.2kmとウルトラを7月7日に走ろうとしているランナーにしてはあまりにも少なすぎる。
そうは言っても、もちろん完走はしたいし、昨年の制限時間内最終ランナーも今年は返上したい。できれば明るいうちにゴールしたいではないか。劇的ゴールとはいえ、ビリはもうゴメンだ。

しかし昨年は4日前にはあれこれと準備を始めていたのに、今年は木曜日に少しと、金曜日の仕事を昼で切り上げ帰宅してから残りの荷物をまとめる始末。100kmを走るのがたった2回めにしてはけっして良い心掛けとは言えない。しかもKuriさんがテント泊するというので、急遽押しかけることにしたため、前夜祭前の短時間にすべて準備を済ませなければならなくなった。そのせいとは言わないが、実はあるものを準備し忘れていて、それは後半からの走りや歩きに重大な影響を与えたのだった。「たられば」だが、それさえ忘れなければ、多分あと20分~30分は間違いなく早くフィニッシュできたはず(?)だ。  
(以下サルベージできず/本文なし)

*** くりやま100kmウルトラ遠足2・そんなに急ぐともったいない 2007.7.11

準備を終え車を出てスタート地点に向かうと、みんなもう準備万端といった雰囲気が満ちていた。Kuriさん、genさん、yagiさんはもちろん応援のいずみさん、トン子さん、ヨーイチさん、やすさんらも朝早くから顔を見せてくれている。オマケに(いやオマケじゃなかった)こうめさんまで登場する始末(あわわ、始末じゃない)。レース中に逃走したらタダじゃ済まないからね!と脅され、夕方にはメールするから逃げるなよと五寸釘を打たれているのだ。そのうえ今日は暑くなるわよ!と地元気象予報士こうめの予言。外れることはなさそうだ・・・。

スタートする前に海宝さんから今年のコースの進路表示について説明があった。昨年まで使用していた大きめの矢印プレートが、80km地点からはそれを使用するが、そこまではなんと10cm程度の小さなものに変わってしまったのだ。実物を見せてくれたがたしかに小さい。しかしコレを見逃し、曲がるべきところをまっすぐ進んでしまった場合は、帰ってこれなくなる。明るいうちにゴールするどころか今夜中に帰ってこれなくなりそうだ。僕の場合、ブログに通過タイムを送信したり、写真をとったりメールをしているうちに見逃す可能性は非常に高そうだ。もっとも地面にもピンクのペンキで大きく矢印が描いてあるので、どちらかには気がつくだろう。それに加えて、常に前の走者を視野に入れておけばきっと大丈夫。大きく引き離されなければ。

スタート直前に記念の集合写真の撮影がある。これから苦難の100kmを走らなければならない・・・という悲壮な顔の方は一人もいないはずだ。多分全員がこれから始まる100kmの遠足が楽しくて嬉しくて仕方がないといった表情だろう。それはきっと、2007年7月7日のとびきりの笑顔として印画紙に写し込まれるのだ。
そしていよいよスタートのカウントダウンが始まり、いっせいに、いやノンビリと100km遠足は始まったのだった。  
(以下本文なし)

くりやま100kmウルトラ遠足3・ないものがあるワケない 2007.7.11

栗山ダムエイドではスイカ、コーラをたくさんいただいた。マメの具合は気になったが、こうなったら足指の過剰な摩擦に注意をはらいつつ走るしかない。そしてストレッチ後、ボランティアの女性から熊よけの鈴を腕につけてもらい出発した。
「いってらっしゃーい!」「がんばってくださーい!」
どこのエイドでもそうだが、迎えてくれるとき、送りだしてくれるとき、本当に元気な声をかけてくれる。
ありがとう。お礼に『豆』いらない?・・・いらないね。(注:足裏にマメができていた)

くりやま湖を眺めながら橋を渡る。やがて熊が出そうな林道に入った。気温は少しずつ上がってきたが、言わば森林浴ランだから木々が途切れる区間以外は涼しい。だが砕石混じりの道も多く、草や木の枝なども走るにジャマだったりするので、成長しつつあるマメにはちっともよろしくない。歩いたり走ったりしながら前へ進んだ。何人かに抜かれた。僕は一人も抜くことはなかった。
そして30km。通過は8時35分。エイドと休憩込でキロ7分10秒。まあこんなものだろう。一周約4.6キロの林道をまわり、もとのエイドに戻って鈴を返却する。もちろんスイカやドリンクを補給して先へと急いだのだった。

38kmエイド。写真の彼に(注:写真は見つからず)頭から水をかけてもらった。冷たくて気持ちいい。生き返る。そして国道234号線を右折し、シャトレーゼゴルフ場へと向かう。
40km通過は10時5分。この10kmはキロ9分もかかっているが、30km地点からの林道などは大半歩いているから、止むを得ない。
(以下本文なし)

くりやま100kmウルトラ遠足4・噛ったイモは受け取らない 2007.7.12

連絡通路を通って駅裏から右に出て45号線を左折する。ここを右折するとゴールに向かってしまうので注意しなければならない。ちゃんと地面にはピンクのペンキで左が50km地点方向、右がゴール方向に矢印が描いてある。間違えると「ウルトラ」が半分になってしまう。もったいない。
走らない人からすると、この「距離が短くなるともったいない」感覚がシンジラレナイという。前提として「走ると疲れる」「走るのは辛い」と思い込んでいるからなのだろう。でもほどよい疲れやほどよい辛さは、走った後の爽快感が吹き飛ばしてくれるのだ。人それぞれレベルに合わせた達成感があるし、汗をかいた後の風呂(温泉ならなおさら)の気持ち良さや食事、飲物(ビールならなおさら)などがおいしすぎることをランナーは知っているのだ。

馬追橋を渡ると長沼町に入り、そこからもう少し走ると50km地点だ。通過は11時59分。なんとこの10kmは昼食・休憩込とはいえ約2時間かかっている。しかし朝5時にスタートしてから7時間で、100kmの半分の50kmを走って(歩いて)きたわけだから、倍の14時間に1時間足しても15時間で完走できる計算だ。ふむふむ。楽勝か?制限時間内最終ランナー返上どころか「サブ15」も夢ではないではないか!!(んな、おおげさな・・・)
その50km地点のすぐ先に車が停まっており、おおひろさんがラゲッジスペースを使ってエイドを開いていた。思わぬところで走友を発見しうれしかった。ひとくちおにぎりとドリンクをご馳走になった。
50km看板の向こうに小さく写っている(注:写真は見つからず)のが「おおひろ号エイド」だ。
ところで前半も気がつかなかったが、なぜか例の右腿裏の張りがほとんど感じない。なぜだろう。それが一番気がかりだったのだが。マメのほうに気がいっていたからだろうか。まあ、このまま痛みが発生しないのが一番だ。  
(以下本文なし)

くりやま100kmウルトラ遠足5・名水はゴールじゃない 2007.7.13

45号線に出ると、昨年も思わずショートカットしたくなった四角いコースに入る。ここを左に曲がって1km ほど走って右折、1.5kmほど走って右折、そしてまた右折でもとの地点に戻ってくるという長方形区間。だからここで右に行くと5kmショートカットになるのだ。だが、それでは僕だけ「くりやま95kmウルトラ遠足」になってしまう。中途半端だ。そのうえもったいない。しかもこの区間の真ん中にはフルーツの仲野農園エイドがある。ここはリンゴジュースがとびきり美味いのだ。やはりここは行くしかない!僕のつま先は左に向かったのだった。(当たり前だ)

ときどき腿の裏のストレッチのため立ち止まる。しかし持病(?)の腿裏足の付け根の違和感のせいではない。普通の長距離走ったときの筋肉疲労のような張りを伸ばすためである。まわりのランナーも路傍でストレッチや柔軟体操をする方が増えてきた。まっすぐな歩道の柵につかまって、一定間隔に並び腿裏やふくら脛を伸ばしているのを見ると、まるで柵の支え木のようだ。このへんを走っている人とは、このあともお互いに何度も追い越しては、追い越されることを繰り返した。

69.8km仲野農園エイド。昨年は道路から見える建物の前にエイドがあったのだが今年は見当たらない。一瞬、今年はここはエイドではなくなったんだろうかと思った。しかし、ちゃんと奥の果樹園の方に設置してあった。ここのほうが木陰が多く涼しい。もちろんリンゴジュースをいただく。冷たくてしかもうまい。サクランボも美味しかった。大の字で昼寝(?)しているランナー数名。昼寝したあとまた走れるものなんだろうか。

70km地点は農園の中。3時36分通過。
あと30kmだ。制限時間は16時間だからあと5時間半近い余裕はある。だが明るいうちに帰るという目標もあるので、自分としては15時間を意識していた。とはいえ、自分が忘れ物(注:マメ防止のワセリン)をしたため足指のマメと闘いながら、いや折り合いをつけながら歩いたり走ったりしているので、4時間半と考えるとちょっと厳しくなってきた。なにしろ歩いたりエイド込とはいえ5kmを1時間かかることもあるから、今後のコースを思うと楽勝とはとても思えない。というよりも制限時間内最終ランナーの再現、あるいは制限時間外トップ(?)といったことだってありうる。
それはちょっとマズイなと、平地や下りではできるだけしっかり走ろうと気合いを入れたせいだろうか。四角いコースを一周して45号線に戻る角を曲がろうとしたら、トン子さん、ヨーイチさんらがいたのに気づかず通りすぎようとしてしまった。
そこでもエイドをやってくれていたので、ありがたく漬物と飲物をいただいた。
(以下本文なし)

くりやま100kmウルトラ遠足6・グダグダいうんじゃない! 2007.7.14

名水から夕張長沼線に出るまでは、砕石の砂利道が1.5kmくらい続く。ここもゴロゴロした石なのでマメが擦れ、痛くてまったく走れない。昨年は見送られてエイドを出発したあと、しばらくは走れていたと思う。しかもここにきて、右足の小指もかなり痛んできた。こちらのマメも成長したか。でも、片方だけよりも両方痛い方がバランスが良く、腰などにはいいかもしれない(?)。ここでは数人に抜かれた。「後もう少し・・・。がんばりましょうね」と声をかけてくださる方もいる。とにかくもう少しガマンの歩きだ。

やっとアスファルトの道路に出てもしっかり上り坂だったが、今の僕の場合、デコボコ道よりもマシだ。なんとか83.5kmエイドまでやってきた。もうすぐ6時だが、とりあえずまだ明るい。
85km通過。6時6分。少し寒い。
長沼町から由仁町へと入る。相変わらずまゆちゃんは何度も先回りして僕を励ましてくれた。
「貴男が帰るまで、まゆ、ゴールで待ってる。ずーーーっと待ってる・・・」。
ちょっと言い回しが違ったかもしれない。
「naviさんがゴールするまで帰れないじゃない!早くゴールしてよねっ!!」だったかな・・・。
ま、どっちにしろ速く走れということだ。

90km通過は6時50分だった。さらに寒くなってきた。
あと10kmを1時間10分で走れば、昨年よりも1時間早いゴールとなり目標「15時間」は達成される。キロ7分で走ればいいワケだからふだんのジョグなら何も問題ない。だがくりやまは、ここからアップダウンの激しい最後の難関だ。おそらく半分程度は歩きになりそうだ。
しかし。鬼のまゆ軍曹はビリーにでもなったのだろうか。寒いのにアツい。
上りは歩くのを赦してくれるが、それ以外は走らされる。僕よりも少し前を少しだけ速く走り、まるで赤ちゃんを騙し騙しハイハイさせるかのごとく声をかけながら、先へ先へと引っ張るのである。大腿四頭筋が悲鳴を上げている。特に下りはつらい。筋肉が張り裂けそうだ。千切れそうだ。
しかもマメはいったいどうなっているのか。マメが痛いというと、軍曹は「指をグーのようにすればいいんだ!グダグダ言うんじゃない」とマユを吊り上げるのだった。僕は泣きながら走った。
(以下本文なし/けっきょく15時間31分41秒でゴール。明るいウチにゴールするのが目標でしたが無理でした。しかし昨年よりは30分近く早いフィニッシュだったので、制限時間内最終ランナーは返上できました)