RUNだむ日記【Returns!】

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J1を決めた日

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ウィルがいる。山瀬がいる。バンがいる。

ああ・・・ノノがいる。コンちゃんがいる。ビジュがいる。

タブチも、名塚も、ヨーヘーも、健作も、センセイもいる。

 

監督は岡田さんだ。オシムジャパンを引き継ぐ、元および新・日本代表監督、岡ちゃんである。(ちなみに10年程前、ドイツに留学していた三浦監督は、岡田さんが日本代表コーチでドイツ遠征をした際、チームの通訳をしたそうで、それ以来の友人だという)

 

これはTシャツの柄だ。2001年、岡田監督がチームを去った日に買ったものだと記憶している。6年前だ。この中で今もコンサに残っている選手は、曽田ただひとり。それがどうだということはないが、サッカー選手の移籍の激しさ(コンサの場合は、ほとんどイコール主力選手の流出という意味だが・・・)と、選手として活躍できる年数の短さ(一部の耐用年数が長いスター選手は除いて)を考えると、よく頑張っているなあとも思う。もっとも曽田はこの年の「新人」なんだけども。

 

僕は昨日、このTシャツを着た。

昨日は特別な日だ。2007年12月1日。

コンサドーレ札幌水戸ホーリーホックを札幌ドームに迎えて、今季最終節を闘う日。そして「J1昇格&J2優勝」を絶対に決める日。前節、東京ヴェルディに首位を譲ってしまったが、今季の昇格も優勝も、僕にとっては、まずはチームが勝ってくれることが大前提だったのだ。ヴェルディが勝とうがサンガが勝とうが、とにかくコンサが勝つこと。コンサドーレが誕生したときから応援している僕は、熱烈サポーターとはほど遠いが、勝利を確信していた。引き分けでもいいとは思いたくなかった。

 

 

Tシャツの上にはコンサの赤いフリースを着た。さらに黒いジャケットを羽織った。襟元には2001年のJ1 昇格時のバッジもつけた。

しかし、持っていくはずの弁当は、家のテーブルに忘れた。

歩いて3分の札幌ドームに向かう。歩道橋には、いつものようにフラッグがはためいている。ドームへの階段にはアーチがかかっており、僕には、いやすべてのサポーターにとっても、文字通りJ1 への掛け橋になっていた。

 

 

試合開始前のゴール裏。いつもいつも素晴らしいけど、今回も見事だった。ビッグフラッグの下から見えたパネル文字は「ONE & ONLY」。世界に一つだけの「俺たちのコンサ」だ。

 

だが試合では、開始まもなく水戸に先制点が入ってしまった。一瞬カタまってしまったが、それでも負ける気はしなかった。前半はたとえ1点リードされて折り返したとしても、後半に間違いなく得点してくれるはず。

・・・と思って早めのトイレタイムで席を離れ、階段を下りようとすると、ドワアッと観客席が沸いた。慌てて走って戻る。カメラを構えて写真を撮った。メガヴィジョンでゴールシーンを確認した。西の折り返しヘッドと、砂川の胸で前へ出たボールをダヴィがゴールへ叩き込んだのだ。同点でハーフタイムとなった。やっぱり、ビハインドはないにこしたことはない。

 

 

そして、後半、早い時間帯に砂川に代わり岡本が入った。砂川のうまさもいいが、岡本のイキの良さはいい。ガタイもいいがキレもいい。サッカーセンスもいい。38分にはダヴィの2点目を見事にアシストするスルーパスを通して、逆転の勝利をぐぐっと引き寄せたのだった。

三浦監督は、終了近くになっても藤田を入れた。守備をガチガチに固めて逃げ切ろうというやり方にはみえなかった。僕にはもう1点とろうとしているようにさえみえた。実際にはちゃんと守備的にも闘っていたと思うのだが。

自宅にいるカミさんからメールがきた。この忙しいときになんだと思ったが、見ると「東京が同点にされたから、このままだと優勝だよ」という内容だった。うれしくて、見ず知らずの隣りの女性にそのメールを見せてあげた。

試合は結局そのまま2-1で終了した。岡本のスルーパスは、勝利だけではなく、昇格に加え優勝までをもつかむパスだったのだ。

もっとも、試合終了後に選手の多くが語っていたように、全員の勝利・昇格・優勝だったのは誰もが認めるだろう。もちろん「全員」の中には、熱烈サポーターも、フツーのサポーターも、そして僕も入っているはずだ。

終了後のサンクスウォークは歓喜に包まれたものになった。その最後尾は小さな娘さん二人を連れ、びっこをひいたリハビリ中の大塚だった。彼も間違いなく今季の功労者だ。

 

 

残念ながら、昨日夕方に発表された戦力外通告では、和波をはじめ岡田など6選手と来季の契約を結ばないことが公になった。通告自体は11月28日の夜だったという。しかし、このうちの岡田、金子、川崎、関は前日と前々日、紅白戦では「仮想・水戸」の選手として出場し、レギュラー組の練習相手としてチームに尽くしてくれたそうだ。戦力外通告は毎年のこととはいえ、今年はとくに、こういう最高の結果を残すことができただけに、余計にせつない。

その一方、U-17で日本代表入りし、U-18でもU-19でも活躍した室蘭大谷の宮沢くんがコンサ入りしそうな雰囲気がある。J1数チームからも声のかかっている逸材だ。新旧の入れ替わりは、この世界では仕方のないこと。来季、J1で闘うコンサのメンバーに彼の名前が加わると頼もしいかぎりだ。ユース生え抜きの選手と北海道出身の選手が主力として活躍するチーム、地域に根差す我らがコンサドーレのカタチが見えてきた。